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美術検定とは? 想定される難易度や勉強時間、試験の概要について

6月 20, 2022美術検定

この記事では、美術検定について「難易度」「想定される勉強時間」「そもそも美術検定とは?」についてまとめます。

今後、美術検定を受験予定の方、美術検定に興味がある方、美術・芸術の勉強に興味がある方の参考にしていただければ幸いです。

※記事の内容は2022年4月18日時点のものです。

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    美術検定の難易度

    美術検定の合格率

    美術検定の2020年の受験者データは以下のようになっています。

    難易度受験者数合格者数合格率
    3級573人475人82.9%
    2級444人280人63.0%
    1級109人21人19.3%

    また、2018年しか確認できませんでしたが、4級の合格率は96.5%と、合格できて当然な数値になっています。

    合格率を見る限り、3級は合格率80%程度で「真面目に勉強すれば短時間で合格できる難易度」と考えられます。

    ただ、受験者数が少ないことから、「美術に興味があって、腕試ししたい人」が受験者に占める割合が多いかなとは思います。そういう意味では、「受験者数が多い趣味の資格」よりは、同じ合格率でもやや難易度が高くなっている可能性もあるでしょう。

    1級は合格率20%程度ですが、100人程度しか受験していない(しかも、2級合格が前提)事も考えると、受験者の多い合格率20%の資格と比べて、難易度がかなり高いかと思います。

    狒々山
    狒々山
    統計情報があまり見つからない試験ですが、1級は過去に合格率15.1%だったこともあります。1級は難関試験と思った方が無難だと思います。

    各級のテキストのボリューム

    テキストのボリュームは、3~4級は1冊、1~2級は3冊です。

    また、2級と1級は同じテキスト(3級も被る)であるため、テキストのボリュームで言えば変化はありませんが、級が上がるほど同じテキストをより詳細に学習する必要があると思います(とくに1級は論文用に実践問題系の知識)

    ちなみに、1級は公式の問題集が存在しません公式で1級の過去問が4年間分公開されているので、記述式問題の練習にはなるかと思います。ただ、選択式は演習量がどうしても稼げず出題傾向が把握しにくい為、その分だけ難易度が上がるかと思います。

    美術検定の勉強時間

    ここからは、ネット上の情報から想定される美術検定合格までの勉強時間をまとめます。

    美術検定4級の勉強時間

    正直かなり簡単です。2018年の合格率は96.5%です。つまりほとんど勉強時間は必要ありません

    実際に合格体験記を見ると、「世界遺産検定2級の知識を活かせるかと思った」というくらいの事前知識の人が、4時間弱の勉強で合格できています

    美術検定4級の問題集は128ページと薄目です。短時間で何周もできると思いますし、有名作品・作家が中心なので「一度目を通せば大丈夫」な問題が多いかと思います。

    ただし、勉強時間は3~20時間程度という情報もあります。心配な人は、念のため20時間程度の確保した上で、勉強を進めるといいでしょう。

    勉強なしで合格できる可能性も?

    ちなみに、私は試験用の勉強は0時間0分で合格できました。主な知識は『美の巨人たち』というテレビ番組を(数年前まで)見ていた知識です。その他、世界遺産や仏教を勉強した知識も、数問の正解に繋がりました。

    私が美術検定4級に合格した際の内容については、以下の記事にまとめておきました。興味がある方は参考にしていただければ幸いです。

    美術検定3級の勉強時間

    美術検定3級の明確な勉強時間の情報は見つかりませんでしたが、1か月程度の勉強で合格している合格体験記があり、上位の級である2級を2か月程度で攻略した合格体験記があることから、3級の勉強時間は20~30時間前後の人が多いのではないかと思います

    合格率が80%程度である事からも、長く見ても50時間も勉強しておけば、不合格の確率は低いのではないかと思います。

    美術検定2級の勉強時間

    2級も明確な勉強時間の情報は見つかりませんでしたが、おおまかな勉強時間の記載がある合格体験記はありました。

    こちらの方の場合、2か月弱の期間で、徐々に勉強量を上げていったそうです。

    大雑把に計算すると「2か月前~3週前→1日15分」「3~1週前→1日1時間」「1週前~当日→1日2時間」で、合計37.25時間程度になります。

    ただし、美術好きで美術館巡りをされている方の勉強時間ですので、「ちょっと興味があるけど、具体的に美術を勉強したことがない」という場合、この例よりも勉強時間が長くなると考えた方が無難だと思います。

    美術検定1級の勉強時間

    まず、美術検定1級を受験するためには、美術検定2級の合格が必須となります。

    その上で、追加で何時間の勉強が必要かについて調べてみましたが……やはり情報がありませんでした

    ただ、1級合格に辿り着くまでに、どのようなことをされていたか、アンケートを取っている記事がありました。

    このアンケートの中で、2級合格から手ごたえを感じるまで5年かかり、結局1級合格まで8年かかったという方もいます。1級の受験を考えている方は、アンケートを参考にして勉強してみてもいいでしょう。

    そもそも「美術検定」とは

    詳細は変更の可能性がありますので、受験の際は公式サイトの確認をお願いします

    美術検定は、作品や作家、その時代や社会をすることを通して、作品を「みる力」を養う検定です。

    公式では以下のような人が、受験者像となっています。

    • 作品や作家、美術の歴史的な流れを知って、美術館や展覧会をもっと楽しみたい⽅​
    • 美術の知識に関する資格として、進学や就職に活かしたい⽅
    • 「アート思考」などビジネスシーンでも役⽴つ教養として、美術の基礎知識を⾝に付けたい⽅
    • 美術鑑賞の楽しみ⽅や感動を、⼈にも伝えたい⽅ 

    主催は「一般社団法人美術検定協会」です。

    美術検定の試験日

    試験日は年に1回、2022年度については11月12日(土)、13日(日) に試験実施予定です。ただし、4級のみ通年で実施されています。

    美術検定の受験費用

    美術検定の受験料は以下の通りです。

    実施級受検料
    1級9,990円
    2級7,950円
    3級6,110円
    4級3,970円

    美術検定の受験資格

    1級は2級の合格が必要です。2級以下については、受験資格なしです。

    美術検定の試験の方式・出題方式

    全ての級で、試験はオンラインでの開催となっています。

    また、2~4級は選択式、1級のみ選択式と記述式の問題があります。

    美術検定の問題数・試験時間・合格基準

    問題数、試験時間、合格基準は以下の通りです(合格基準は調整されることがあります)。

    受験級問題数試験時間合格基準
    1級選択式および記述式
    ※2021年は選択式15問、記述式1問)
    一定の基準に脱すれば合格
    ※2021年は選択式で22/30点以上かつ記述式で70/100点以上
    2級100問
    美術史問題 約85問
    実践問題 約15問
    美術史問題 60分
    実践問題 30分 
    美術史、実践両方で約60%以上の正答
    3級100問60分正答率約60%
    4級50問45分正答率約60%

    美術検定の出題範囲

    美術検定の受験級ごとの出題範囲は、おおむね以下の通りです。

    受験級出題範囲
    1級美術に関する幅広い知識・情報をもとに、美術作品や美術をめぐる動向について自身で解釈・思考ができる。さらに他者に対し、より深い作品の理解へ導くための、具体的なナビゲート(道案内)の方法や手段を考えることができる。
    2級美術に関する幅広い知識を持ち、美術史に関わる様々な概念を理解する。また美術鑑賞の場の役割や現状を理解する。
    3級西洋美術・日本美術の基礎知識に加え、動向や形式など美術史に関わる概念を理解し、歴史的な流れを知る。
    4級西洋美術・日本美術の基礎知識として、代表的な作品や作家を知る。

    また、出題範囲内で使われている用語について、以下のような解説がありました。

    • 美術史問題:美術作品や作家、時代、様式、運動など美術に関する知識を問う。
    • 実践問題(2級以上):美術鑑賞の場の役割や機能、現状に関する知識を問う。
      <美術史問題、実践問題には、知識・情報の活用問題を含みます。>
    • 知識・情報の活用問題:作品や資料など美術に関する情報から、総合的に判断・思考する能力を問う

    実践問題(美術鑑賞系の知識)については、2級以上での出題となり、とくに1級の記述式では深く問われる為、上位の級になるほど重要な範囲になってくると思います。

    3級の詳細な出題範囲(私が受験した際)

    私が3級を受験した際は、大体以下のような配分で90問が割り当てられていました(メモをしていなかったため明確には不明です)。

    私が受験した際の、大まかな出題割合

    • 西洋美術:50問程度
    • 日本の美術:35問程度
    • 美術のキホン・つくる+みる(色彩や道具などの知識問題):数問?
    • 知識・情報の活用問題(芸術鑑賞のような問題):5問程度

    正直、色彩や道具などを問う「美術のキホン・つくる+みる」からは、出題されていた記憶がありません。まさか出題無しということは無かったかと思いますが、気にならない程度の出題数だったと言えます。

    美術検定のメリット

    「美術館巡りが楽しくなる」「美術に関する蘊蓄が言える」「芸術の視点から歴史を語れる」……などのメリットもありますが、もっと具体的な「合格者特典」が用意されています

    応援館・応援施設での割引

    2022年4月18日時点で、全国21か所の美術館で、割引(一部ポストカード進呈)の特典があります。流石に受験料を回収する程の割引をするためには、相当な回数通う必要がありますが、趣味の試験にしては具体的に金銭的なメリットがあるというのは嬉しいところです。

    とくに東京在住の場合、東京に11か所、神奈川に2か所、群馬に1か所と比較的巡りやすいかなと思います。2022年1月から参加の美術館もあり、今後より対象の美術館が増えていくとありがたいところです。

    イベント等への参加

    詳細は不明ですが、「美術検定合格者限定イベント」「ボランティア・スタッフ募集」「展覧会・イベント情報」などがメールマガジンで月1~2回配信されます(もちろん、拒否も可能)。

    狒々山
    狒々山
    個人的に、趣味系の資格で体験型の特典があるのは嬉しいポイントです。

    美術出版社書籍・雑誌の10%割引購入

    美術出版社へ直接注文することで、10%割引購入が可能になります。中古で安く入手できない書籍については、若干ですが安く収集が可能です

    アートナビゲーター限定イベント等への参加(1級のみ)

    1級合格者のみの特典ですが「アートナビゲーター限定イベント」に参加することができます。

    「アートナビゲーター・メーリングリスト」へ参加し、情報を得ることができます。

    美術検定を実際に受験した感想

    美術検定3・4級に合格した際の内容については、以下の記事にまとめておきました。今後、受験を予定している方の参考にしていただければ幸いです。

    6月 20, 2022美術検定