【資格取得のメリット・デメリット】資格50種を取得して、資格試験と勉強について勝手に思うこと

勉強方法

退職するにあたり、同僚から「こんなに資格を持っている人は二度とこないと思うから、資格試験とか勉強について何か書いてみて」との依頼がありました。

「そんなもんか?いや他にも似たような人が…」と確認すると全部で43種。下位の資格、失効した資格、1日で取れる認定証なども合わせると、全部で資格が53種になっていました。

「受験料+参考書=1回1万円」として落ちた分、交通費も合わせたら……考えたくない!

狒々山
狒々山
(…救いようのないアホになってました)

改めて確認すると、2019年6月27日~2021年6月26日の3年間で24種取得。「資格なんか、数とってもしょうがない…」と言っておきながら、全く言行一致していない社会人生活を送っていました(もう趣味が7割なので別にいいですが)。

そんなわけで、この記事では「過去の経験から、今の私が資格について勝手に思うこと」をまとめます。

目次

そもそも資格を取得する意味は? メリット・デメリットについて

当たり前ですが、資格は取らなくても生きていけます。仕事によっては資格が必須なこともありますが、無くて死ぬことはありません

では「そもそも資格を取得する意味は何か?メリットとデメリット」について、資格マニア(?)として思うことをまとめます。

個人にとってのメリット10種

①継続的な勉強の動機づけになる(とくに普段勉強していない人向け)

平成28年社会生活基本調査の結果」によると、社会人の平均的な勉強時間は1日6分(!)。よくそれで仕事ができるなあと、逆に感心します。

社会人になると「やるべきこと」や「やれること」が増えていきますし、学校のように強制で勉強させる存在もありません(大学生も1日平均50分弱ですが!)。

そうなると、「ちょっとビジネス書でも読んで見るか」と思い立っても、ちょっとしたきっかけで読書時間が減り、そのまま学習の習慣が無くなってしまうということもあります。

資格試験は、合格までの期間はある程度の勉強をこなす必要があるため、「継続的な勉強」を強制してくれます。簡単にいえば、学校の試験の代わりです。

とくに、私と馴染みの深いIT業界では継続的な研鑽が求められます。うなぎの蒲焼は「串打ち三年、割き八年、焼き一生」などと言われますが、一人前のエンジニアであり続けるためには、一生勉強が必要です。

もちろん、資格試験だけが継続的な勉強の方法ではありませんが、学習の習慣が身についていない人には、モチベーションのコントロールとしての利用価値は高いと思います。

②目標を明確化して勉強ができる(これも普段勉強していない人向け)

勉強といっても、何をすればいいかわからない」という人も多いと思います。

何を目的とするかによって、その解答は変わると思いますが、資格試験であれば「資格に合格する。そのために合格に必要な内容を覚える」といった形で、目標を明確化できます

とくに「○○業界の基礎資格」というのであれば、業界未経験の人が全体的な知識を身に付けるために有効です。

③キャリア(就職・転職・昇進・離職防止など)に有利

恐らく、社会人で資格試験を受けようとしている人の少なくない人がこの目的かと思います。

オンライン資格講座のオンスクで行われたアンケートでは、資格取得の目的で「転職・就職のため」が23%、「昇給・昇格のため」が5%です。

就職、キャリアアップ狙い、他業種への転職でも、資格によって客観的な評価を得られます。会社での評価も上がりますので、昇進につながる可能性がありますし。また、評価が上がっていればリストラの対象からも外れやすいです。

ちなみに、enミドルの転職で行われたアンケートでは「転職活動で、資格が役立ったことがある」という人は25%。年齢が上がるほど転職で役立ったという人が増える傾向は少し意外でした。

④仕事を任せてもらえる(肩書として書ける)

「昇進」とも関連の深いところですが、「仕事を任せてもらえるチャンス」につながります。

社内であれば、直接昇進につながらなくても「○○って資格があるなら、この仕事を任せてみようかな」というきっかけになります。少なくとも、全く同じような評価、年齢の人がいた場合、資格で差があればそれが仕事を振ってもらうチャンスになります。その仕事を達成することで、昇進していくということも狙えるでしょう。

また、社外の人が相手なら「○○大学卒業」とか「社内での仕事の業績」などは肩書として使いにくいですが、保有資格は名刺などに入れて手っ取り早くアピールできます。私が勉強のSNS(Studyplus)で知り合った人にも、情報処理技術者試験の資格がきっかけで営業に成功した人がいます。

⑤難関資格なら、若手でも手っ取り早く評価を得られる

ほとんどの職場では、若手が評価を得るまでには数年以上の下積みが必要です。「新人は数年で異動させ、色々な業務を経験させる」という会社も多いので、技術が身につけて評価されるまでは、10年かかるかもしれません。

一方、多くの難関資格は1年で合格が狙えます。IT業界であれば、高度情報処理技術者試験は難関試験ですが、毎日3時間勉強できるなら、新人でも2カ月で合格を目指すことが可能です(無理はすすめませんが)。

難関資格は平均の合格者が30歳以上であることも珍しくないため、新人であるほど、周囲との差がつきます

一方、合格には「試験の為の勉強時間をしっかり確保できたか?」が最も利くため、年齢が上がって忙しくなるより、時間に余裕のある若手の方が試験に有利なこともあります。

こういう事情を把握している学生には、あえてキャリアを積んでから受験するような難関資格で武装して、就活をしている人もいます。

狒々山
狒々山
私もIT業界未経験の頃に、応用情報技術者試験と情報セキュリティスペシャリストに合格して武装しておきました。

⑥努力や業務に挑む姿勢のアピール

多くの人は「真面目で勤勉な仲間」を支援したくなるし、こういう相手に自分の知識・経験を教えたいと思うものです。

そういった努力や真面目な姿勢をアピールするためにも「○○試験の勉強をしています!」というものは効果的です。

「姿勢を買う」という意味合いでは、簡単な試験でも構いません。先の述べたように、日本人の平均的な1日の勉強時間はわずか6分です。それに比べれば、自らの自由な時間を割き、仕事の為に精進する人を評価しない人は少ないはずです。

また、周囲から期待されること・評価されることが、モチベーション向上にもつながり、継続的な学習にもつながります(そういう意味でも、簡単な資格からステップアップするのもありだと思います)。

⑦制度によっては、資格によって手当が増える

資格の取得によって報奨金や、毎月の手当として資格の取得が評価されることがあります。

会社によっては、参考書を含めて数万円くらいで合格できる試験で、100万円の報奨金が貰えることもあるほどです。

ただし、多くの場合は「勉強時間で時給を計算すると…」と考えた場合は、最低賃金未満のことが多いかと思います。あくまでおまけ程度で考えて、本質は自己研鑽であると考えましょう。

⑧新しいスキルの開拓

「業務に関連するけど、直接は関係がない」という分野について、知見を広めるためにも資格試験は利用できます

もちろん、最優先すべきは業務に直結する知識・技術ですが、それだけではイノベーションを生むことは難しいと思います。仕事を硬直化させないためにも、常に周辺知識もある程度拾っていくことも必要です。

未経験分野について体系化された基礎知識を学び、新しいスキルを開拓するには、資格試験は良い目標になります。

⑨業務が円滑になる(効率の上昇、信頼の獲得、自信の向上など)

知識・技術がある程度身につくことによって、業務が円滑になります

例えば、MOSのような基礎的な資格であっても、新人であれば知らない内容は多く、その中には業務を手っ取り早く効率化できる知識が含まれています。

また、資格を持っていることによって「一定の学習をしている」ということを客観的に判断できるため、周囲からの信頼を獲得できますし、自分の自信にもつながります。

ちなみに、先にも紹介したオンスクのアンケートでは、資格取得の目的の42%が「自分のスキルアップのため」という結果になっていました。

また、エン派遣で行われた「資格取得やスキルアップ」についてのアンケートでは、スキルアップして良かったことの第一位(32%)が「自己成長を感じられた」、第二位(29%)が「自分に対する自信を持てた」になっています。

⑩趣味としての資格試験

ここまで上げてきた9種類は「仕事をする上でのメリット」が中心でしたが、これだけは別物。

案外この「趣味としての資格試験」をする人は多いのではないかと思います。習い事が典型的な例でしょう。私も最初に取得した資格は、剣道の初段でした。

また、enミドルの転職のアンケートでは「取得したい・受験したい資格が今の仕事と関連していない」と回答している人が46%(回答者は20~50代)と、半数近くが業務とは無関係の資格に興味を持っているという結果になっていました。

趣味としての資格試験のメリットは、人生を豊かにすること。実のところ、これを超えるものはないんじゃないかと思います。また、運よくその趣味を活かせる職場に異動できれば、結果として仕事上のメリットとしてもかなり大きいです。

ちなみに、私の友人は趣味としての資格である「そろばん3段」が面接官の印象に残り、採用されたらしいです。人生こういうこともあるから面白いです。

狒々山
狒々山
私は稀にいる「資格試験が趣味」という本末転倒状態に入りつつありますが、おかげで「資格の人」という印象だけは、相手に残せるようになりました。

個人にとってのデメリット6種

メリットの裏返しのようなものですが、念のためデメリットも記載しておきます。

①希望ではない職場に配属されるリスク

幅広く資格を持っている人ほど、希望以外の職種についてしまうリスクが高まります。「希望と違う職場であっても、数年なら経験としていいか…」と思って入ったら、片道切符だったということもあり得ますので、注意はしておくべきです。

対策としては、履歴書や会社への資格届に、不要な資格は記載しない・提出しないこと。これだけでデメリットは無くなります。

②やりたくない仕事を任されるリスク

資格取得のメリットの「仕事を任せてもらえる」反面、「仕事を任されてしまうリスク」もあります。

対策は「希望ではない職場に配属されるリスク」と同様に、不要な資格は履歴書に記載しない、提出しない、周囲に言いふらさないこと。

とはいえ、異動を伴わないのであれば、経験として試しにやってみるのもアリかと思います。それがきっかけとなって、新しいスキルの習得・成長につながることも少なくないはずです。

③資格取得にとらわれてしまうリスク

当たり前ですが、資格試験という形だけが勉強ではありません

「資格試験」という形にとらわれてしまうと、気づいたら「資格試験の為の勉強」という形に自分がはまり込んでいきます

本来の目的が「勉強(を通した自己実現)の為の資格試験」であるならば「資格試験の為の勉強」をすべきではありません

ですので、「自分の行動原理は何か?」「自分は何を目的として生きているのか?」を、自分自身に問いかけて、目標設定するようにしましょう。

④資格と自分の希望のミスマッチがあると、費用対効果が圧倒的に下がる

当然ですが、業務と全く関係のない資格をとっても、業務上のメリットは限りなくゼロです。

200時間勉強した結果として業務効率が上がったとしても、年間10時間の業務効率向上なら、勉強時間を取り返すために20年かかりますし、数年の間でその技術が通じなくなる可能性もあります。

また「自分はITエンジニアだが、お客様は行政関係が多い。なので、行政に関する法律を学んでみよう」と考えた場合、それは全くの無意味とは言えませんが、効果的とも言いにくいです。お客様の業界事情を雑誌などでざっと学ぶのであれば問題ないですが、例えば「行政法について深く学ぶと費用対効果が高いか?」といえば、多くの場合ITエンジニアとして技術を磨いた方が効果的でしょう。

趣味の資格試験であれば問題ありませんが、仕事に活かそうと考えるなら「自分の資格取得の効果は、ある程度の結果につながりそうか?」を調べてから挑みましょう

⑤資格だけではそう簡単に評価は上がらないのも事実

資格は客観的な評価につながり、周囲からの信頼を勝ち取ることができます。

しかし、資格を取っただけで、大きく周囲の評価が変わるわけではないことは事実です(私は3年で24種取りましたが、周囲にあまりアピールしなかったこともあり、ほぼ無風)。

あくまで自己研鑽を通して周囲から地道に評価されること、チャンスの確率を増やすことを目的としておきましょう。合格しても過度な期待はしないようにした方がいいです。

⑥プレッシャーの上昇(メリットでもある)

自信がつくことや、周囲からの期待の一方で「○○という資格を取ったからには、この程度できなければ…」というプレッシャーも上がります。

とはいえ、私の個人的な経験からすると、資格取得によるプレッシャーは、正直ほぼ皆無です。

常識的な社会人であれば「資格を取っただけで、関連の仕事は何でもできるようになる」とまでは考えません。もちろん、スキルは上がりますが、あくまで一般的なスキルが上がるだけであり、職場の固有の事情まで考慮された能力は備わりませんし、「実践経験はこれから」ということが多いからです。

むしろ「自分は○○という資格を取ったのだから、それに相応しい存在であろう」と思うことによって、学習へのモチベーションが向上するため、メリットが上回ることも多いと私は思います。

会社にとってのメリット5種

念のため、会社視点でよくいわれるメリットを5種類まとめます。あくまで個人視点中心の記事なので、あえてデメリットはまとめません。

①客観的な評価につながる

仕事の成果を評価するということは難しいものです。常にその人の仕事ぶりを見ているわけにはいかないし、1つの成果に誰がどんな形で貢献したかは測定が非常に困難です。現場に全てを任せた場合、極端な話なら上司に媚を売る部下だけが出世するなんてことになりかねません。

私が学生時代スーパーでアルバイトしていたときのことですが、客を装って評価に来た人(ほとんどの場合バレバレ)がいるときだけ、張り切って仕事をして高く評価されていました。一方、仕事に慣れていないと「評価に来た人=挙動不審なお客様」に見えるため、普段は真面目に仕事をしている人が、その時だけ接客に戸惑い、低く評価されていることもありました。

こういった評価のミスマッチを防ぐためにも、一定の実力がないと合格できない資格は、客観的な知識・スキルの水準の評価として利用できます

また、評価の理由についても「○○という資格に合格した場合、××の評価」と決めておけば、評価に対する不満を防ぎやすくなります。

②会社自体の評価が上がる(案件の受注、人材育成のアピール)

「○○の資格を何人持っているか?」が仕事の受注に有利になることがあります。例えば官公庁や地方公共団体では、情報システム開発等の競争入札参加申請で、情報処理技術者試験合格者や情報処理安全確保支援士の登録人数の記入を求めたり、プロジェクトへの参画を要件とするケースが増加しています。もちろん、入札だけでなく「資格保有者○○名」という肩書は、会社のイメージアップにもなります。

また、仕事の受注だけでなく「人材育成に積極的な会社」としてのアピールもできます。「その会社で自分がどれだけ成長できそうか?」「この会社は自分の価値をどれだけ高めてくれそうか?」といった視点で、求職者から会社は見られることがあります。そういった際に、人材育成に力を入れていることをアピールできるため、資格保有者が多いことは、会社にとってのメリットになります。

③人材を適切に配置しやすくなる

客観的な評価とつながる内容ですが、人材配置のミスマッチを減らすことにも役立ちます

実力の程度も評価できますが、「周辺知識としてどんなものを持っているか?」も判断できるため、細かな需要にも対応しやすくなります。

例えば私の友人の場合は、簿記の資格を持っている(というか、学生時代まではこっちを中心に勉強していた)ため、システム開発の内容としては会計などお金を扱う案件が多かったそうです。

④社員のスキルアップにつながる

当然ですが、資格取得を通して社員のスキルが向上します。

社員のスキルが上がれば、企業として生産性や品質の向上にもつながります。また、社員の自信やモチベーションも上がり「勉強しよう」という風土の構築にもつながっていきます。

⑤教育の手間が省ける

会社としては計画的に社員を教育し、生産性を高めていく必要がありますが、その手間・コストをある程度省けます。

ただし、自主的に社員が勉強する場合の話であり、会社が率先して勉強させる場合、その分だけ人件費が向上するというデメリットもあります。

具体的な勉強方法・試験に向けた計画

この記事では、資格試験によるメリット・デメリットについてまとめました。

実際に資格試験に取り組む中で感じ、習得してきた「資格試験の心得・勉強方法」や「試験に向けた計画方法」については、別の記事にまとめました

興味のある方は、参考にしていただけると幸いです。