コラム

世界的に平均的な家計資産を、ザックリ計算してみた

世界の家計資産で見て、自分がどの程度裕福・貧乏なのかが気になったので、世界の総人口や総合の家計資産から、世界的に平均的な家計資産をザックリ計算してみました。

2018年の世界の家計金融資産は205.9兆ドル

ボストン・コンサルティング・グループの2019年6月に発表したデータでは、2018年における家計金融資産は、ドルベースで205.9兆になるそうです。

既に1年以上経過していますが、日本円にするとおおむね2.06~2.26京円くらいでしょうか。そして今後数年は毎年6%弱の成長が見込まれるそうです(世界的な景気に引きずられそうな気もしますが)。

このうち、約1億円以上の金融資産を持つ「超富裕層」は2210万人。日本では人口の約1.1%が超富裕層となり、世界の富裕層の約5.9%が日本人となります。

ちなみに、これは「金融資産」なので、不動産は含みません(含んだ場合、地域による差がだいぶ激しい気がします)。あくまで金融資産(動産)での家計の資産となります。

世界人口は2019年時点でおおむね77億人

国連の広報によると、世界人口は2019年時点でおおむね77億人になるそうです(別で調査した人口ピラミッドでは、ほぼ78億人でした)。

国連の今後の予想では、2030年には85億人、2050年に97億人になり、おおむね100億人に達したところで頭打ちとなる見込みだそうです。

世界人口は何人まで許容できるか?

「地球が許容できる人口は何人か?」というものは古くから議論があります。

1920年代には生物の個体数の変化を表す式である「ロジスティック方程式」を用いてレイモンド・パールが算出した「地球が許容できる人口」は20~26億人ですが、この数値は現在の人口とかけ離れたものとなりました。

以前に「ビオトープ管理士」の勉強をした際に、農耕なし(狩猟のみ)で人間が何人地球上に暮らせるか? という数値を見た時も、現在の数値と比べればだいぶ低い数値だったと記憶があります(正確な数値は忘れましたが…)。

結局のところ「地球で何人暮らせるか?」は「主に科学技術にかかっているというのが現実的な話になってくると思います。ただし、国連が発表する「100億人」より遥かに少ない段階で、人口が減少に向かうとする「EMPTY PLANET」という本もあります

ちょっと内容を事前に調べたところ、女性の識字率の上昇が、自立した女性を増やし、世界全体の出生率を下げるのが理由だとか。確かに、識字率の高い先進国では自立した女性が多く出生率は低めですし、Wikipediaの「出生率」の項目でも、「出生率の要素」で女性限定の広告は「識字率」となっています。

この本の通りになるかはわかりませんが、戦争や紛争、飢餓など、不幸な出来事以外で人口の爆発を食い止めるのであれば、女性の社会進出を助けることが非常に重要なようです。

「EMPTY PLANET」の日本語版はありませんが、Google翻訳アプリを使って、今年中には読んでみようと思います。

世界人口に占める労働力人口は?

世界銀行のデータを見ると、2019年の労働力人口は約34.89億人となります。

世界の人口が約77億人なので、世界人口のうちの労働力人口は、おおむね45.31%となります。

世界の高齢者人口は?

以下のサイトから世界の人口ピラミッドが確認できます。

高齢者を60歳以上と定義(国によって定義が異なると思いますが、60歳以上になっても働きたいとは私が思わないので…)すると、人口の13.3%が高齢者人口となります。

世界的に妥当な家計資産をザックリ計算してみる

ここまでである程度情報が収集できました。論文としてしっかりまとめるのであれば、もっと細かく調査が必要だと思いますが、そこまでやるつもりはないのでシンプルに計算してみます。

ストレートに全人口で割ると、1人約272万円

ストレートに世界の合計家計資産である2.1京円を、世界人口の77億人で割っても1人あたり272万円です。

てっきり貧しい国のほぼゼロ円の人の影響でせいぜい数十万円程度になるかと思っていましたが、日本の20代の平均貯蓄である186万円よりも大きい数値となりました(平均貯蓄額は、2016年に金融広報中央委員会が行った調査結果)。

とはいえ、下位半分の人口の資産を、上位60人程度が占めている歪んだ社会なので、下位層が裕福というよりも、上位層が莫大な資産を持っている影響と見た方がよさそうです。

労働力人口と高齢者人口で割ると、1人約465万円

上記計算では、通常資産を持っていないであろう子供なども入ってしまうため、ちょっと計算式を変えてみます。

かなりいい加減ですが「労働力人口と高齢者人口(既に労働力となった人口)が、残りの人口を支えている」と定義して、世界の家計資産を分配してみます。

  • 世界の家計資産:2.1京円
  • 世界人口:77億人
  • 労働力人口と高齢者人口が占める割合:58.6%
  • 労働力人口と高齢者で全資産を割ると
    →2.1京円 ÷ (77億人 × 58.6%) = 4,654,049円

養う側の人間だけで世界の資産を割ると、1人辺りの平均は465万円程度という結果となりました。

少なくとも以下の内容が考慮不足

ザックリ、世界的に妥当な個人資産は465万円という計算をしましたが、最低でも以下の項目が考慮不足だと感じています。

考慮不足の項目

  • 持ち家か?
    →465万円には不動産が含まれないため、賃貸ならその分を考慮して更に高くなる
  • その土地の物価
    →物価が違うのに全く同じ個人資産であれば、当然物価が高い地域が不利
  • 労働力と高齢者人口について
    →何歳からが高齢者か? 高齢者だけど労働力の人は?
  • あくまで2020年時点でのおおむね妥当な数値
    →今後人口や経済の変化により変動する可能性が大いにある
  • 老後の資産が考慮されてない
    →老後の収入が途絶えると、個人資産465万円は確実に尽きる
  • 家庭環境が考慮されていない
    →一生独身か、子供が多いかでかなり差がつく

とくに、老後の資産が考慮されていないところが大きな問題。この点については、物価や社会保障制度の変動によっても、現在の想定値と将来に実際に必要になる資産の額が大きく乖離してくる可能性もあるので、注意が必要ですね(2019年の「老後必要な資産2000万円」は記憶に新しい)。

ただ、今回の計算からは「世界の家計資産を世界人口で平等に割った数値では、日本人は老後の生活ができない」ということもわかりました。

もし、年金などの社会保障だけで生活費や医療費などが全て賄えるような制度が日本にあれば資産ゼロでも生活はできることになりますが、労働者世代が高齢者を支える仕組みにしてしまった以上、人口のバランスが崩れた現状ではそれは期待できません。

少なくとも、日本で暮らすなら

毎年の支出 = 年金 + その他の収入 + 取り崩せる資産/残り寿命(年)

になるだけの資産は必要であり、やはり安定した老後を迎えるのであれば、生活に合わせて相応な資産を貯蓄しておくといいでしょう。